坐骨神経痛(腰の痛みや足のしびれ)について

2020.10.26

坐骨神経痛(腰の痛みや足のしびれ)について

こんにちは。

今日は坐骨神経痛の説明をさせていただきます。

 

腰が痛くて、足もしびれて辛い思いをされている方も多いと思います。
同じ腰痛や足のしびれという症状でも、
原因となる疾患が違うということがあります。

そこで、このページでは腰の疾患でよく耳にする
腰椎椎間板ようついついかんばんヘルニア」について説明し、
腰椎すべり症」と対比して、どう違うのか御覧頂きたいと思います。

 

 

この図は腰椎を示しています。

腰椎は5つの骨で出来ていて、腰痛で悩まされる部分として多いのは下部の腰椎です。

 

腰椎の一部を取り出して見てみると、この図のようになります。

腰椎の骨と骨の間には、「椎間板」と呼ばれるクッション材があります。

以下で、椎間板の仕組みについてお話していきます。

 
椎間板の仕組み

椎間板の働きは身体を支えるために上からの圧力をうまく分散するようにしています。

また、前後に身体を動かしたときに、スムーズな動きができるように働きかけます。

 
 

椎間板の周りには脊椎洞神経せきついどうしんけいと呼ばれる感覚を司る神経が走っています。

この神経は椎間板が受けた刺激をキャッチして、その信号を枝分かれした神経を通して様々な場所に送っています。

そのさまざまな場所とは、脊髄神経節せきずいしんけいせつを通して脊髄神経から痛みとして 脳へ送られます。

つまり椎間板に何らかの刺激が加わったり、痛みの原因となる刺激が加わった場合、背側へ向かう神経を通じて腰の周辺の筋肉が緊張を強いられたり、関節部分が痛んだりします。

 

この絵は椎間板と上下の腰椎を表しています。

左側の絵は、椎間板も厚みがあり、クッション性があります。

しかし、右側の絵のように変性して椎間板がへたって来ると、椎体の端が広がるように変形します。

また、椎間板のクッション性が落ちてくるので、そのしわ寄せが椎間関節におよび、変形してしまいます。

このように長い時間を経て椎間板が傷んだことで、生じる腰痛を「腰椎椎間板症」といいます。

 
 
 
 
椎間板ヘルニアが生じた状態

この絵のように、椎間板に亀裂が入り、中央にある髄核が上からの圧力によって後方に押し出された時、後ろを走る神経根を圧迫してしまい、足のしびれや痛みが生じてきます。 

これが腰椎椎間板ヘルニアの病態です。

 
 
 
 
 
 
 
 

こちらは実際の腰椎椎間板ヘルニアの患者さんの写真です。

痛みを回避するために、身体を横に反る姿勢になっています。

この姿勢だと、脱出した腫瘤が神経根にふれることがないため、自然と痛みを回避するために、こういった姿勢をとっておられました。

 
 
 
 
脊柱管狭窄が生じた状態

今度は、脊柱管狭窄の病態を説明します。

この図は腰椎部を上からみた図です。

左は正常な状態をあらわしており、右は椎体の変形によって脊柱管が狭くなっています。

脊柱管狭窄せきちゅうかんきょうさくの原因は一つではありません。

図にもあるように、変性した椎間板や、肥厚ひこうした椎間関節および黄色靭帯などが複合的に影響して引き起こされます。

 

圧迫された部分でどのようなことが生じているのでしょうか?

この図は狭窄きょうさくされている部分を縦に切ったものです。

 

一つ前の図の一部を拡大して見ると、馬尾ばびと呼ばれる神経の束が圧迫されて窮屈な状態になっています。

 

さらに、一つ前の図を拡大して見ると、神経に栄養を与える血管が圧迫されて、血液の流れが悪くなっていることがわかります。

このような圧迫が生じた場合、神経にも栄養がいかなくなり、しびれたり、痛みなどの症状が現れます。 

 

脊柱管狭窄が生じた時、発現する特徴的な症状はこの図のようになります。

歩き始めてしばらくすると足の痛みが強くなり、前かがみになって休憩をすると、楽になって、また歩くことができるということを繰り返します。

このように、間欠的に歩いたり、休んだりを繰り返すことを「間歇性跛行 (かんけつせいはこう)」といいます。

このような症状があれば、脊柱管狭窄症を疑います。

 

前かがみになると楽になるのはなぜかというのをこのグラフで見てみましょう。

このグラフは歩行・前屈位歩行・自転車での姿勢での
硬膜圧を表しています。

前屈位歩行や自転車では、硬膜圧が歩行時よりも低くなることがわかります。 

ですので、痛みがあるときには、前かがみの姿勢がお勧めです。

 
すべり症が生じた状態

こちらの絵は、正常な腰椎部の並びとその間を走る神経の位置関係をあらわしたものです。

すべり症が生じると、ずれた椎体の影響で、神経があたかも砂時計のようにくびれる様な状態にまで圧迫されてしまいます。

 
 

すべり症はどのようにしてできるのかというと、椎間板に繰り返し圧力が加わり続けると、椎間板そのものも変性といって、クッション性が失われてきます。

 

さらに、クッション性が失われた上に、体重などの重力が強くかかると、ずれ応力が作用して、上下の椎体が滑るような状況が生まれます。

これらは長年の繰り返しで生まれるものです。

こうしてずれが生じると、椎間関節や他の神経に圧迫がかかり、腰痛や足のしびれの原因になることがあります。

 
 
 
日常生活やリハビリの考え方の基本

こちらの絵は姿勢と腰にかかる負担の関係です。

この図からわかるように、座って物を持ってお辞儀している状態が一番負担がかかります。

次に負担がかかるのが、中腰姿勢で物を持ち、お辞儀している状態です。

意外と、座っている状態の方が腰に負担がかかっています。

ですので、デスクワークの時の方が、立っているときより腰に負担がかかるのです。 

中腰姿勢が長時間続くような動作に関しては、ときおり足を曲げたり、屈んだりして、姿勢を変える必要があります。

デスクワークの時も、クッションを入れるとか、同じ姿勢を続けないように動きを入れるとかする必要があります。

 

立位の姿勢ではこちらの図の様なことが生じています 。

背筋を伸ばしたとき(左側の図)には、お腹の前弯もゆるくなり、仙骨の傾きも緩やかになります。

全体として、姿勢が良く見えます。

かたや、背中が丸くなったとき(右側の図)では、お腹が前に出てしまうので、腰には圧がたくさんかかります。

仙骨のカーブがきつくなって、負担がさらに増強します。

 

当院での治療方法

①SOTブロック整体

 

 

当院では患者さんの骨盤の歪みを正確に判断し、8つの分類に分けて矯正していきます。
背骨の側弯や骨盤のズレによって、生じる神経の圧迫や牽引を取り除き
正常な状態にしていきます
 
 
②ハイボルト
 

高電圧の刺激を深部に浸透させ、いたみの軽減や治癒促進などに使います。
皮膚抵抗が低く抑えられ、電気刺激を深部組織まで到達させることができます。 疼痛の緩解や可動域の改善などにお使いいただけます。一時的にインナーマッスルの活性化をするほか、消炎作用、組織回復作用があります。

筋肉や靱帯の機能を修復

修復することが難しいといわれていた筋肉や靱帯に高電圧を強くかけることによって、筋肉や靱帯自体を修復できることが可能になります。

神経の痛みを抑制
神経の走行に沿って電流を流すことで神経の興奮を抑え、即時的に痛みを抑えることができます。
よくある症状として痛みの患部と別の神経から痛みを出していることがありますが、ハイボルト治療をすることによって今まで取り切れなかった痛みを取ることも可能になります。

痛みの原因を追求できる
当院のハイボルト治療では、痛みの原因、どこが悪いかを検査できるます。
レントゲン・MRIに写らなかった筋肉や神経にハイボルテージという電気をかけることによって、痛みの原因を探すことが出来ます。
原因がわかれば、集中的な治療を行い早期回復・予防につなげることができるのです。

 

 



院長 太田 湧也